岐高山の家〜西穂高岳トレッキング
岐高47“山登り隊長”今村さんが企画して、岐高山の家へ宿泊し、西穂高岳へ登りました。
日時:2003年9月13日(土)〜15(祝)

【西穂高の知識】
標高2909mの西穂高は、穂高連峰の南端に位置しており、かっては南穂高岳と呼ばれた時代もあった。
頂上アタックの踊り場となる「独標」から頂上にかけて険しい岩稜をなし、いかにも北アルプスらしい、アルペン的な要素をもっている。
過去に落雷事故があり、独標から頂上にかけての鎖は外された。それだけに独標から先の岩稜の登下降は、十分注意が必要な上級者ルートになっている。

二泊三日で中尾温泉の岐阜高校林間学舎へ行ってきました。幸い天気にも恵まれ、本当に楽しい時間をすごすことができました。パソコンの無い(笑)ゆったりとした刻が流れ、その中で好きなだけ温泉につかり、山歩きをし、薪の火を囲みながら、好きなだけ飲み、かつ食べ、友と語らい、極上の楽しみを味わって、それで一人一万円!以下の報告を読んで興味をもたれた方、来年はぜひ参加してください。
写真:名和、記事:鬼頭
■参加者からのお便り
01 外観は8階建てに見える、岐高山の家。 02 今村君特製の鮎の燻製。左は玉田さん、右端は鬼頭君。
【第一日目】
昼過ぎに集合し、みんなで関のバローにて買出し。あれがいいだの、これも買うだの、わいわいやりながらいろんなものを買い込んで二時ごろに出発。鬼頭号には高間さん、玉田さん。今村君。若松号には中村さん、長沢さん。途中、事故渋滞があったりして少し時間がかかったけれど、五時半に何とか到着しました。懐かしい岐阜高校の林間学舎の前に車を止めると、名和君がすでにキャンピングカーで到着していて、手をあげて迎えてくれました。

林間学舎は昔の記憶のまま、そこに佇んでいました。管理をされている近くの中尾温泉元湯山本館でカギをもらい、いよいよ魔法の迷宮に突入です。中に入ると、真っ暗で、少しかび臭い匂いが漂い、シーンと静まり返っています。今村君が電気をつけ、暖炉の回りの明かりがともり、広い食堂全体が明るくなると、急に学舎が生き返り、当時の記憶がはっきりと甦ってきます。

みんなで荷物を降ろし、部屋のベッドの準備をし、食料などを仕分けしている頃、東京組(古田、若山)の到着です。東京を出るところで大渋滞に巻き込まれ、九時間近くかかったということで、ご苦労様でした。冷蔵庫に食料がしまわれ、中央の暖炉に置かれたバーベキューコンロに薪の火が入り、地下のお風呂に温泉の湯もたまり始め、次第に気分も盛り上がってきます。なんだか楽しそうだぞ、これは。
03 高山味噌のなべ。おいしかった! 04 右から今村君、鬼頭君、中村さん、お尻は誰?
今晩の献立は途中の地元スーパーで買った高山の地味噌仕立てのなべと、今村君特製燻製器で出来たばかりの鮎の燻製。まずは総勢十人で乾杯です。みんなでつつく味噌仕立てのなべ、こんなご馳走はありませんね。それに今村特製鮎の燻製が絶品で、ついつい酒もすすみ、会話も弾みます。途中、急に雨がふってきて、軒先で雨宿りをしていた若いカップル二組を招き入れ、彼らを巻き込んで、いや、散々酒の肴にしてひと騒ぎ。けれど今日は明日に備えてほどほどに切り上げ、風呂に入って早めに休むことにします。

地下の風呂には温泉の湯があふれています。
循環湯などではなく、正真正銘かけ流しの100%天然温泉です。ハート型をした湯船は四畳位の大きさでしょうか、広々とゆったり入れます。窓を開け放つとちょっとした露天風呂気分です。
05 ロープウェイ頂上駅付近。行く手の西穂をバックに。 06 左から、前列…中村、若松、中列…高間、長沢、玉田、若山、鬼頭、名和、後列…今村、古田。
【第二日目】
朝の七時すぎに出発してロープウェイの駅を目指します。駐車場に車をいれ、乗り場に向かうと、すでに大勢の人が並んでいました。ロープウェイは120人乗りで、二階に50人、一階に70人が定員です。
7時45分、今日の始発の出発です。みんなの最後に並んでいた僕が50人目。ぎりぎりセーフでした。
07 西穂山荘へ向かっていざ出発。 08 しんがりの古田君、鬼頭君、若松君。
09 ばて気味の若山さんのザックを持ってあげる若松君。亀仙人と呼ばれていた。 10 西穂山荘に到着。ご苦労様でした。
八時過ぎに頂上駅出発。まずは西穂山荘を目指します。天気はまずまずで、行く手には西穂山荘、西穂独標からピラミッドピークを経て本峰までの大パノラマが広がります。
まずは山荘目指して出発です。先頭が今村隊長。しんがりはやはり山歩きに強い若松君が勤めます。隊長のすぐ後ろには歩きの弱い人が続き、男性陣がその後に続きます。
11 西穂山頂を臨む地点で。 12 山が似合う男・今村隊長。
13 この直後に、アタック隊3人が分かれ本峰めざして駆け出す。 14 独標ピークにて。左から中村さん、長沢さん、古田君。
15 高間さん越しに独標を臨む。その左奥の▲がピラミッド・ピーク。西穂高岳の本峰(標高2909m)はさらにその先。 17 左写真付近のハイマツの中に、ライチョウを偶然発見。
●僕たちは先に下に降り、新穂高温泉の露天風呂に入り、本当にゆったりとした刻を過ごしました。そしてみんなと合流しました。本峰までの上級コースを制覇したのは今村、玉田(さすがです。本当に立派)、若松の三名。独標止まりは古田、中村、長沢、名和、独標直下が高間。(高間さん、いいんですよ、独標の岩場は初めての人にはちょっとこわい。それぞれの楽しみ方が出来るのが西穂のいいところです。独標直下だって充分高山の魅力が満喫できたでしょ)玉田さんを引き上げた今村、若松両君も、独標組を守った古田、名和両君も男性軍はいわば女性を守るナイトのようで、みんなかっこよかった。
19 本峰アタック隊の若松君が西穂山荘に戻る。まるで跳ぶように駆け下りてきました。 20 本峰アタック隊の今村君、玉田さんの帰還。待っていた独標組から思わず拍手。
18 独標組が西穂山荘に戻り遅い昼食、左から 名和君、中村さん、古田君、長沢さん(高間撮影) 16 山の家に戻って足湯につかるひと時。
みんなで林間学舎に戻り風呂に入ります。山本館に行くという女性軍に僕だけ同行しました。山本館のお風呂へは岐高でーすというとただで入れてもらえるのです。露天風呂もあるので行かない手はありません。露天風呂に入ったときは僕一人で、実に爽快です。その露天風呂は実は混浴で、女性軍は女風呂の窓から手をふってくれるだけでしたが、なんと!二十代前半の女性が入ってきました。タオルで前を隠して近づいてきたのですが、湯船に入る直前でタオルをはらりとはずして…この先はご想像ください。

今晩はいよいよバーベキューです。食堂にあった黒板に、本日のタイトルを書きます。「GIKO47 いい女といい男の集い バーベキューパーティ」みんなで乾杯して、パーティの始まりです。炭火で焼くお肉もしいたけもししとうもはじけるようなうまさです。今村君特製の鮎の燻製ももちろん登場です。飲み、食べ、語り、笑い、こんな極上な時間があるでしょうか。なんと素敵な空間でしょう。なんと素敵な仲間でしょう。驚くことに僕はここにいるすべての人と高校時代面識が無かったのです。GIKO47 に参加した今年初めて知り合った人ばかりなのです。それなのにこんなにも気が合い、仲がよく、懐かしい。

パーティの途中、思いがけない訪問客が三人ありました。一組目は、「すいません、私この近くのペンションに泊まっているんですが、実は岐阜高校卒業なんです。この集まりは何をされているんですか」といって訪ねてきた女性とそのご主人。52年卒だそうで、思いがけないことでした。早速招きいれ、ひとしきり遊んでいかれました。門限があるからと帰られたあとに気がついた。「あっ、名前を聞くのを忘れた」もう一人はなんと伊吹君。用事を済ませ、駆けつけてきてくれました。これで11人。宴会は最高潮です。すぐ前の足湯(新しく出来たんですよ)に移動して、みんなで湯につかりながら語らいます。至福のときは延々と続きます。

翌日、朝起きたら伊吹君はすでに帰った後でした。早朝五時ごろにとんぼ返りで帰ったのでした。食堂の黒板の「GIKO47 いい女といい男の集い バーベキューパーティ」の文字の脇に、「お先失礼します。伊吹」と書き置きがありました。きのうの晩、数時間を僕たちと過ごすためだけに彼はきてくれたのです。かれもまた「ナイト」でした。

朝ごはんにコーヒーと、安子さんお手製のドレッシングのサラダ、パンに薪で焼いたソーセージを食べ、いよいよ撤収です。あとかたずけをし、最後の風呂に入って岐路につきます。電気を消し、カギをかけて、岐阜高校林間学舎よさようなら。楽しい刻をありがとう。

先行した東京組、若松君、高間さんの無事に到着したという連絡を受け取ったのは、高山を抜け、高速道路のインターの手前でした。渋滞もなく無事に着いたようで一安心。あとはわれわれもひたすら岐阜に向かって走るだけです。

以上で報告を終わります。参加者のすべての皆さん。本当にありがとう。
参加者以外のすべての皆さん、岐阜高校林間学舎を使えるのは僕たちOBの特権です。あんなに極上の空間はちょっと考えられません。来年はお盆休みにあわせて実施するという話ですので、ぜひ皆さん参加して、山での同窓会をしましょう。(鬼頭)
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